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 それぞれの薬物についての説明は、一般的に認められた知識ですが、薬物の作用はその摂取方法や量によって異なるだけでなく、短期的な使用と長期的な使用では大きく異なります。また、実際に取引されているドラッグにはさまざまな混ぜものが加えられているために、その不純物による健康被害も存在します。

 ここでは、一般に乱用されることの多い薬物を掲載していきますが、特に脱法ドラッグと呼ばれる法律で規制を受けていない薬物の作用については、詳細に知られていないものも少なくありません。

 薬物乱用による精神的なダメージは、薬物による作用だけでなく、薬物を繰り返し取ろうとする依存行動、あるいは嗜癖行動の問題があります。むしろ、こちらの方が重要という場合も少なくありません。単に薬理作用だけで薬物乱用の問題を理解しないように注意してください。

 薬物の作用によって起こる直接的な心身の失調=中毒には、急性中毒と慢性中毒が区別されます。たとえば、アルコールで酔っぱらった状態、酩酊状態は急性中毒症状です。長期にわたってアルコールの過量摂取を続けた場合ウェルニッケ脳症やアルコール性の痴呆になることがありますが、これらは慢性の中毒ということになります。このように、急性の中毒症状と慢性の中毒症状は異なりますので注意して下さい。

 薬物の直接の作用による中毒と区別して、薬物を繰り返し強迫反復的に摂取する依存/嗜癖と呼ばれる問題があります。これは、行動面での問題です。依存/嗜癖行動は、ここに掲載した薬物以外でも起こりえます。たとえば、鎮痛剤の嗜癖などは比較的多く見られる嗜癖です。

 嗜癖に、薬物などを繰り返し摂取する物質嗜癖(Substance Addiction)だけでなく、何らかの行動を反復強迫的に繰り返してしまうプロセス嗜癖(Process Addiction)を加える考えもあります。人間関係への嗜癖(Relationship Addiction)を加えて三つの嗜癖を考える人もいます。たとえば、買い物やギャンブル、仕事などが、嗜癖行動になります。摂食障害の場合も、嗜癖の一つとする考えもあります。

 人間関係への嗜癖は、物質嗜癖やプロセス嗜癖の背景に常に存在するということも言われています。