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LSD
lysergic acid diethylamide

アッシド
 

 LSD(lysergic acid diethylamide)は、もっとも広く知られかつもっとも強力な幻覚誘発剤です。1938年に発見され、麦角からとれるリセルグ酸から合成されます。

 LSDは通常”アッシド”と呼ばれ、ストリートでは錠剤やカプセル、時には液体のものが売買されています。無味、無臭で少し苦みがあり、一般には経口摂取します。吸湿性の紙にしみこませてミシン穴で一回分が1cm程度の正方形に切り分けられるようになった、独特の模様が書かれたものもあります。

 LSDの作用は、摂取量、乱用者のパーソナリティーや気分、乱用する際の周囲の状況に大きく左右されます。一般には、摂取してから30分から90分で効果が現れます。

 身体に見られる変化は、瞳孔の散大、発熱、頻脈、血圧上昇、発汗、食欲低下、不眠、口渇、振戦などです。

 感覚や気分は、劇的に変化します。同時にさまざまな気分の状態が起こったり、気分が急激に変化したりします。また、幻覚も出現し、時間や自己の感覚が大きく変化します。感覚がクロスオーバーするような体験も起こります。色が聞こえるように感じたり、音が目に見えるように感じたりするのです。このような、感覚のクロスオーバーのために、恐慌状態に陥ったり、パニックになったりすることもあります。

 LSDの乱用者は、LSDを使用した際の体験を”トリップ”と呼び、急性の不快な作用を”バッド・トリップ”と呼んでいます。

 LSDの乱用者の中には、恐ろしい考えや気分、コントロールを喪失する恐怖、発狂してしまう、あるいは死んでしまうような恐怖を体験する場合もあります。このようなLSD中毒の状態で、死亡するような事故も起こります。

 LSDの乱用者の多くは、LSDを摂取しないのに摂取時の体験がよみがえるフラッシュバックを経験します。フラッシュバックは、LSDを摂取してから数日、あるいは1年以上たってからでも突然に起こります。

 フラッシュバックは、一般に継続してLSDを乱用している場合や、人格上の問題があるような場合に多く起こります。一方、健康な人の場合でもこのようなフラッシュバックは起こることがあります。